吉川悟

龍谷大学教授

ミラノ・システミック・モデル(家族療法テキストブック、金剛出版)
ミラノ派の治療理論の特徴は仮説化、円環性、中立性である。仮説化では、複数の家族成員から語られる出来事の詳細を把握し、どの部分をどのようにパンクチュエーションし、意味を付与しているか仮説の設定を行う。円環性を考え、治療者・患者・家族の相互フィードバックループを形成する。家族成員には中立を心がけ、連合形成が治療を阻害しないように配慮する。
 


東 豊

龍谷大学教授

戦略モデルとジョイニング

戦略モデルとは、ストラテジックモデルの訳である。戦略という言葉には戦い、争いの意味が包含されるため、ストラテジック・モデルと呼ぶようにもなってきている。このモデルにはベイトソン理論が色濃く反映されている。このモデルで重要なことは、対象は個人ではなく、「システム・相互作用」であること。ユーモアを大切にすること。リフレーミングされたもの(症状や問題への肯定的意味づけ)を真剣に信じることである。
 

村上雅彦

広島ファミリールーム

コミュニケーションモデル
このモデルのアプローチは、コミュニケーションアプローチと呼ばれ、米国西海岸のMRIで行われた方法である。ベイトソンの二重拘束理論が背景にあり、それを見極めたり、臨床活用する方法である。逆説的介入が有名である。治療における基本的前提は、セラピストに持ち込まれた問題は、患者や患者と影響を及ばしあう人々の、現在進行形の行動によってのみ存続しており、フィードバックループで問題を継続させている部分を変化させたり取り除けば、悪循環が断ち切られ改善する。

 


この企画の意図

坂本 真佐哉と五十嵐善雄

何かが起こる!

正直、何が飛び出すのかわかりません。わが国におけるシステムズアプローチの確立と普及を担った巨匠たちが「臨床へのこだわり」について語り合います。「こだわり」はシステムズアプローチに依拠したものなのか、そこだけにとどまらないものなのか。参加者のこだわりと何がどのようにリンクするのか。シナリオなしの緊張感と臨場感の中で語られるものとは。乞うご期待。