養護教諭 岩崎和子

 昔は保健室の先生とも呼ばれていました。私が小さい頃、家で嫌なことがあって泣きたくてしかたがないとき、保健室にいくと先生が優しく微笑んでくれました。ずっと、その思い出があって、私は保健室で今でも仕事をしています。
 たくさんの子ども達が怪我をしたり熱をだしたりしてやってきます。最近は、なにもない子も来てくれます。
 家族療法を学んでから、少し見方が変わりました。「何か、心の奥に話したいことがあるんじゃないか」とか考えるようになったのです。そしたら、見えない風景が見えてきました。いつも元気に笑っている○君がうつむいている。オシャレだった○さんが、いつも同じ服を来ている・・・・・・・。本当に子どもを見ようとしないと、子どもの心にとどきません。

保健室の思い出

 

 この絵は、保健室登校の子どもが、保健室は「思い出の場所」として書いてくれました。
「私が学校に登校できるようになった思い出の場所」と、私に子ども達の思い出を残してくれました。保健室は、ほっとする場所で、保健室の先生は学校のお母さんだと思えた時でした。私の心の中には、たくさんの子ども達がいます。

 

毎日50人くらいが訪れます

台湾の養護教員が来日しました。

 2017年夏、私が全国調査した日本の養護教諭の困難感やニーズに関する英語論文(リンク)を読んでくれた台湾の養護教諭協会の会長さんと代表メンバーが来日し、私の職場や山間部の小学校を訪問してくれました。

大切してあげること 

 昨年保健室登校をしていた2組の親子と保健室登校から教室に復帰した2人の子どもが協力して折り紙のオブジェを一緒に作成しました。
 保健室に子ども達からもらったプレゼントは必ず飾ります。「大切にしている」と思いを伝えたいからです。子ども達が本当に大切にしもらいたいことは、何だろうかと毎日考えて仕事をしています。

 二人は「先生、私たちと同じように保健室登校の子どもがきたらみせて。 明るい未来が待っているって」そう言って作成してくれて、完成したらみんなで抱き合いながら泣いちゃいました。心が一つになった瞬間でした。
 2学期の後半からずっと保健室にきてくれた不登校児のお母さんでした・・・保健室は家族にとっても安心できる場所でありたいと思っています。

 

スーパーヴィジョンから学ぶ

 高崎健康福祉大学大学院博士課程に入学し、養護教諭には精神医学や家族療法の知識が必要だと強く感じて、精神科医・ファミリーセラピストのスーパーヴィジョンを3年間受けています。養護教諭へのスーパーヴィジョンの効果研究は英語論文(リンク)として掲載されています。

 養護教諭がすぐに活用できるのはジェノグラムだと思っています。子どもたちや親御さんたちと一緒にジェノグラムを書いていくと、不登校の背景には祖母の認知症の介護問題があることにも気づいたりしました。